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寂しさが美しさに、苦しさが純粋さに変わっていきます。違う視点からみれば、ただの心細さや苦しみがあんなに美しく昇華できるものかと、思います。
作者の一面の為に、この本を読んでいると、それだけで評価されるのは辛い事です。サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」もラストシーンの主人公の優しい気持ちはそのまま美しい画面のように心に残りますが、愛読者の中に殺人者がいたという事で、「問題のある」本になっているようです。
私は一人の時間に本や音楽を楽しむのが好きです。その時間は私だけのものだから。本も音楽も、その人間の中に入って言った途端に作者とは離れ、もちろん他の読者とも離れて、一人歩きしていくものではないかと思います。おおやけに推薦する図書ではなくて、このような掲示板で知る事はいいことではないかと思います。
実は、リトルトリーはこの掲示板で知りました。お金もない、アメリカで役にたつディグリーもない、英語もろくにわからない、職歴もない、という状態の時、読んで、その本に救われました。読んでみてください。こんな事を書くと、叩かれるかもしれないけど、まあ、いいです。私だって、この掲示板でこの本を知って、そして救われたので。そしてその時も、紹介してくれた人は叩かれていましたから。
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