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自分の本棚にある短編小説です。女のドロドロ話ではないですが、もしそういうもの以外を読んでみようかと思われたら是非。秋の夜長に合う話が多いと思います。日本の小説とのことですが、敢えて日本語に翻訳された外国人作家のものも入れました。
「停電の夜に」ジュンパ・ラヒリ
インド系アメリカ人女性作家のデビュー作です。文庫の裏表紙には「夫婦、家族など親しい関係の中に存在する亀裂を、みずみずしい感性と端麗な文章で表す9編」と紹介されています。
「わかれの船」宮本輝編
作家の宮本輝さんが選んだ「別れ」にまつわる短編集です。山田詠美、伊集院静、林真理子、吉行淳之介など有名日本人作家がほとんどですが、外国人ではチェーホフの「不幸」が選ばれています。
「ナショナル・ストーリー・プロジェクト(1.と2.があります)」ポール・オースター編
アメリカの著名な作家、ポール・オースターがラジオ番組で募った全米選りすぐりの実話をまとめた本です。それぞれのストーリーはすごく短いです。
「体の贈り物」レベッカ・ブラウン
これはそれぞれの話が完結している完全な短編でなくて、連作小説です。エイズ患者を世話するホームケア・ワーカーの「私」が語り手となっていますが、その「私」と患者たちとの交流をめぐる、生と死の、喜びと悲しみの物語です。ちょっと重い内容なので誰にでもお薦めできるものではありませんが、読んだ後、悲壮感は全くなく、じわじわと静かな感動に心が満たされました。
「風に舞いあがるビニールシート」森 絵都
これまた裏表紙の説明ですが、「才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編」とあります。一気に読めました。
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